赤ちゃんも犠牲者になった玄倉川水難事故。生き残りと場所の現在

水難

史上最悪の水難事故と言われている”玄倉川水難事故”

ネット上では別名「DQNの川流れ」とも呼ばれています。

事故から長い歳月が経った今も水難事故が起きるたびに、「そういえば過去に酷い水難事故があったな」と掘り起こされます。

動画サイトでも、この事故を「同情できない水難事故」として取り上げているチャンネルが多くあります。

今日は、玄倉川水難事故がどんな事故だったのか、犠牲者や生き残った人について書いてみたいと思います。

18人中幼児を含む13人が’犠牲になった水難事故。”DQNの川流れ”と批判される理由

玄倉川水難事故(くろくらがわすいなんじこ)とは、1999年8月14日に神奈川県足柄上郡山北町の玄倉川で発生した水難事です。

25人の廃棄物処理会社勤務の家族グループが、玄倉川の中洲でキャンプを行い、再三の注意を無視(4名は日帰り組で、3名は注意に従い避難)。

玄倉川では、被害者グループの他にもキャンプをしていた方がいましたが、いずれも早めに切り上げ、最終的にキャンプ場には被害者家族のグループだけが残りました。

その後に残った18名(大人12名子供6名)は上昇した川水に飲み込まれ、18名の内4人の子供を含む13名もの死亡者を出しました。

何度も職員や警察が注意し、キャンプを辞めるよう言っても、被害者グループは無視したり罵声を浴びせて帰らせるなど酷い態度でした。

家族グループが、あまりにも非常識で自分勝手だった為、ネット上では「DQNの川流れ」と呼ばれています。

玄倉川水難事故の犠牲者の名前と年齢一覧(子供は太字)

この水難事故が胸糞悪いと言われる理由に、”多くの子供が巻き込まれた”という背景があります。

大人たちの身勝手な判断により犠牲になったことで、「可哀想だ!」の声が多く出ました。

仮に大人だけでの事故であっても、多くの救助隊に迷惑を掛けたという点で避難されたと思いますが、1歳の幼児を含む4名の子供を巻き込んでいるのです。

また、被害にあった子供たちの中には、何度も注意を受ける大人たちに向かって「おじちゃんたちの言う通りに避難しようよ」と呼び掛けた子供もいたのです。

名前 年齢
松尾利美 31歳
松尾理恵 30歳
松尾歩 9歳
松尾駿兵 5歳
加藤裕二 33歳
加藤美江 28歳
加藤優香 1歳
梶ケ谷剛 25歳
織立亜希子 25歳
高橋直人 26歳
小野崎恵子 25歳
原田敬介 48歳
原田千佳 9歳

自治体が救助費用4800万を負担。助けようとする人に暴言し配給されたおにぎりを投げ捨てた?

玄倉川水難事故の被害者らが避難される理由は、子供たちが犠牲になっただけではありません。

心配し避難を呼びかけてくれた玄倉ダムの職員に「うるさい」「殴るぞ」と悪態をついたこと。

または、警察の3度の注意を無視したこと。

テントが水没してからレスキュー隊やヘリコプターが出動し、最終的には4800万もの救助費用が掛かったことです。

人を罵倒し、さらには多額のお金が使われた背景が、彼らへの非難を尚更強めているのです。

また、こちらは不確定ですが、救助後に出されたおにぎりを「まずい、もっとマシなの出せ」と投げ捨てたとの話や、仲間が大勢亡くなっているにも関わらず「回収したテントは返してくれ」と早々に私物の心配をしていたとの話もあります。

残っている映像に、救助隊に対して強い物言いをしてる様子が収められているので、これらの話が嘘だったとしても、「本当だろう」と信じる人は多いでしょう。

事故の流れを簡潔に整理

1999年8月13日15時頃 各地で局地的な豪雨が発生し、事故現場一帯でも雨が降り始める。
15時20分 玄倉ダムの管理職員が河川でキャンプをしている人々に向けてマイクで避難勧告。被害者グループ以外は退去するも被害者家族らは無視
16時50分 気象庁が神奈川県全域に大雨洪水注意警報を出すしも被害者家族らは動かず。
19時35分 事故現場近くの玄倉ダムが決壊を防ぐための放流を警告するサイレンを鳴らす。この日は長めにサイレンが鳴るが被害者ら家族は無視。
19時50分頃 ダム職員が2度目の避難勧告。直接話しかけるも拒否しダム職員を追い返す
20時6分 ダム職員が神奈川県警察松田警察署に通報し退去命令をお願いする。
20時20分 玄倉ダムが放流を開始
21時10分 警察官とダム職員が再び被害者グループに避難勧告。水量が上昇し渡る事ができないため拡声器を用いて避難勧告。被害者らは「大丈夫」と動かない
22時45分 再び警察官が避難を呼びかけ。被害者らは酒に酔い「うるせぇ」「警察にそんな事を言われる筋合いはない」と悪態をついて警察官を追い返す。
8月14日5時35分 神奈川県全域に大雨洪水警報
6時頃 前日に避難した3人が川辺からテントに向かって大声で避難を呼びかけるも反応なし
6時35分 玄倉ダムは雨量の増加の影響で放水量を増やす。
7時30分 警察官から3度目の避難呼びかけも無視。
8時4分 前夜に避難した3人が119番通報し救助要請
8時30分頃 川の水量が増して中洲は水没しテントも流される。被害者家族らは幼い子供を抱いて身を寄せ合い、残されたパラソルにつかまって耐える
9時7分 救助隊が到着し渡河による救助を試みるが水流が強く二次被害の恐れから断念。
10時頃 レスキュー隊員2名が対岸の山斜面の断崖を伝って反対側の岸に到着。悲惨な事態にマスコミも到着。
10時10分 足柄上消防組合が救助ヘリを要請するも悪天候による二次被害が懸念されて却下。
10時30分頃 レスキュー隊が対岸に向けて救命索発射銃でリードロープを発射するが1発目は対岸樹木に引っかかり失敗。
10時44分頃 2発目のリードロープが対岸に届くが、1発目のロープに絡みつき流木や水流に妨げられる形でグループの場所まで届かず。
11時頃 警察からの要請を受け玄倉ダムの放流が停止するも、決壊による被害を避けるために5分後に放流再開。
11時16分 レスキュー隊からリードロープは張られているものの、救助用のメインロープが水流に流されて張ることができないとの報告。
11時38分 水深は大人の胸あたりに達し、遂に被害者家族らは飲み込まれて流される。※流される寸前、1人の男性が1歳の加藤直樹の息子を岸に向かって投げ、救助に参加していた男性が危険を顧みずに川に飛び込み奇跡的に救助。

玄倉川水難事故の生き残り5人の名前と年齢。加藤直樹にYouTuberが突撃?娘のブログが炎上など二次被害

13名もの犠牲者を出した水難事故ですが、奇跡的に5名が生還しています。

主にリーダー格と言われ、問題発言や問題行動を起こしていた加藤直樹さんを筆頭に、その娘と息子は生き残っています。

そして平野さん兄弟も、兄弟で揃って生還を果たしています。

名前 当時の年齢
加藤直樹 31歳
加藤朝香 5歳
加藤一樹 1歳
平野幸男 29歳
平野嗣富 31歳

加藤直樹さんは妻と次女が犠牲になっていますが、助かった1歳の息子は一般参加していた方の咄嗟の勇気ある飛び込みによって助けられています。

長女の朝香さん(5歳)は助かったものの、次女の優香さん(1歳)と嫁の美江さんは亡くなっており、この時のことは生き残った長女・朝香さんがブログで心境を綴り、その内容がネットで話題になったことがあります。

加藤直樹の長女・朝香のブログ。母と妹を亡くした悲しみを綴り批判される

基本的には多くの生き残りの近況は不明ですが、助かった加藤直樹さんの長女・加藤朝香さんに関しては学生時代にブログを書いており、知る人ぞ知る存在となりました

長女・朝香さんは事故から10年以上経った高校2年生の頃、ブログで事故のことについて触れました。

たまにね私、ふとあの時の事を思い出すんだ。

どうして私の家族なの?

小さい頃私がママを殺したんだ。

私さえ居なければママは生きていたんだ。

パパがね私を抱いててママがパパに助けを求めていたんだ。

手を伸ばしてね一生懸命流されないようにしてたんだ。

けどねパパまで水に連れていかれそうで怖かったんだ。

だからねパパやめて!って言ったんだ。

そしたらパパがママの手を離したの。

そしたらママ水と一緒にいなくなっちゃたの。

これって私のせいだよね。

母を庇おうとしてる父に対して、父までが流されると思い「やめて」と言ってしまったことを後悔してるようです。

これは濁流に飲み込まれた直後に100メートル下流の対岸まで流されたタイミングでの出来事だと思われます。

自分のせいで母が流されて亡くなったと、自責の念を抱いてるようです。

そして、母親を失って生きてきたこと、本当は妹がいたことについても言及した日記を書いています。

ごめんね本当に…。

ママに逢いたいです。

小さい頃もずっとママが欲しかった。

皆にはママがいて私には居なくて悲しかった。

今でもママが戻ってきてほしいと思っている。

あと優香にも戻ってきてほしいんだ。

私には妹がいたんだよ。

ママがいなくなっても明るい朝香でいてねって色んな人に言われた。

そう簡単に言うなと思ったよ。けど私なりに頑張ってきた。毎日明るく生きてる…

自分にだけ母親がいないという寂しさ、妹にもまた会いたいと素直な心境を綴っていました。

当時、5歳だった朝香さんには何も罪はないですが、当時はこのブログの内容について批判的な声もありました。

「被害者ヅラするな!」「自業自得だ!」との心のない声が多くあったのです。

その後にブログは閉鎖されました。

何も悪くない少女の心の声まで踏み躙られるという二次被害もあったのです。

事故のリーダー格・加藤直樹の職場にYouTuberが突撃?横浜の廃棄物処理「富士繁」

2021年に、YouTubeである動画が話題となりました。

それは玄倉川水難事故の被害者グループのリーダー格とされた加藤直樹さんの職場に、あるYouTuberが突撃したという内容です。

事故当初から被害者らが横浜の廃棄物処理関係の会社「富士繁」の社員であると報じられていました。

事故があった当初から、情報メディアにグループの勤務先などが書かれていた為、特定は安易だったようです。

ただ、YouTuberが突撃した相手が本当に加藤さん本人だったかは不確定で、仮に人違いだとしたら大変です。

そもそも、あれだけの事故を起こして、20年以上も同じ職場にいたとは考えにくいです。

突撃系が流行っていた背景もあったかもしれませんが、これも一種の二次被害と言っても良いでしょう。

神奈川の事故現場や発見場所が心霊スポット扱い?

事故から20年以上が経っていますが、現在の玄倉川は神奈川県の心霊スポットの1つとされています。

「お化け川」など呼ばれ、大人の男性と女性、子供の幽霊が出ると言われているようです。

2023年にも玄倉川で水難事故が起き、23歳の男性が亡くなっています。

30日午後4時半ごろ、神奈川県山北町玄倉の玄倉川の立間堰堤(えんてい)付近で「人がおぼれた」と119番通報があった。

小田原市消防本部や県警によると、千葉県香取市の会社員、xxxxさん(23)が川でおぼれ、意識不明の状態でドクターヘリで神奈川県伊勢原市内の病院に搬送された。約2時間後に死亡が確認された。

xxさんは友人と3人で遊びに来ており、高さ約6・6メートルの堰堤から飛び込んだところ、浮かんで来なかったという。水中にいるxxさんを友人らが発見し、岸に引き上げた。

また、1999年の犠牲者の遺体が見つかったとされる三俣ダムも心霊スポットとして紹介してるサイトがあります。

近くに住んでる人は、昔から変わらない綺麗な場所だと言っているので、霊が出るという噂は信憑性に欠け、近所住民の迷惑になりかねませんね。

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